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森鴎外全集〈10〉即興詩人 (ちくま文庫) 文庫 – 1995/12/4
森 鴎外
(著)
即興詩人
- 本の長さ480ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1995/12/4
- ISBN-104480030905
- ISBN-13978-4480030900
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1995/12/4)
- 発売日 : 1995/12/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 480ページ
- ISBN-10 : 4480030905
- ISBN-13 : 978-4480030900
- Amazon 売れ筋ランキング: - 393,824位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 170位個人全集の全集・選書
- - 1,568位ちくま文庫
- カスタマーレビュー:
著者について
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1862‐1922。島根県出身。本名は林太郎。幼少期に東京へ移り東大医学部を卒業後、軍医となる。ドイツへ留学帰国後執筆活動をはじめる。自己見解を 曲げないことでも有名で、医学界、文学界の双方において論議を巻き起こす。「高瀬舟」「山椒大夫」などから、堪能な語学を生かしての翻訳作品と著書多数(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『舞姫』(ISBN-10:4903620522)が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月8日に日本でレビュー済み
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もっと良い状態を予想していました。次は予想が当たるようにと期待いたしております。
2013年1月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
幼少のみぎり(60年近く前になるが)、子供向けに書き直された本の中で特に感動を受けた記憶があるのが、サンドの『愛の妖精』とアンデルセンの『即興詩人』であった。前者はその後、全訳本を読んだが、鴎外訳『即興詩人』については、今まで読む機会がなく内容もすっかり忘れてしまっていた。本書(ちくま文庫版)を読む前にまず、子供のとき読んだ本を再読してみたいと思い探してみたところ、図書館でアンデルセン原作・大木敦夫著『即興詩人』(講談社、昭和27年初版)が見つかった。これが昔、読んだ本のようである。この本の装丁や林唯一の挿絵が懐かしい。夕方になると、アヴェ・マリアの鐘が聞こえてくるローマ・カソリックの世界、そこで生まれた主人公アントニオのビルドゥングス・ロマンであり、青春小説であり、冒険小説であり、怪奇小説でもある。舞台はローマからナポリ、ヴェネティア、ミラノとイタリア各地を巡る。小生のような昔の少年を熱狂させた理由がよくわかる。ついでにアンデルセンの童話『人魚姫』と『親指姫』を読み直してみた。『即興詩人』はアンデルセンが初めに書いた小説であるが、その後の童話に繋がる片鱗をすでに見せていることがわかる。
さて、鴎外の『即興詩人』である。鴎外独特の雅文体というのであろうか。左頁端にある註を参照しながら少し読み進めると、歌うようなリズム感のある文章が心地よく読めるようになる。そして、これは鴎外独自の『即興詩人』の世界である。恐らく原作・アンデルセンの『即興詩人』とも大木敦夫の『即興詩人』ともかなり雰囲気が違うものと思う。鴎外はなぜ、『即興詩人』を9年もの歳月をかけて、この時期に翻訳したのであろうか?興味は尽きない。
ところで、この小説の初めに、物語の行き先を予兆するように、アントニオはレミ湖畔でフラスカアチのフルイヤから将来の予言を受ける。そして、その後、猛禽と大魚との戦いが描かれる。(この猛禽は近ごろNHKのドキュメンタリーで放映された「ミサゴ(オスプレイ)」のことだと思う。)巧みな物語の導入部である。鴎外の『即興詩人』は、疲れた大人が「大人の童話」として読むのにもよいと思う。
もう一言、本書「ちくま文庫」版は字が小さく、年寄りにはかなり読むのが辛い。時々、虫眼鏡の助けを借りてなんとか読了した。なお、ドイツ語に堪能な方はKindleから『Der Improvisator』を入手して参照するとよい。無料である。
さて、鴎外の『即興詩人』である。鴎外独特の雅文体というのであろうか。左頁端にある註を参照しながら少し読み進めると、歌うようなリズム感のある文章が心地よく読めるようになる。そして、これは鴎外独自の『即興詩人』の世界である。恐らく原作・アンデルセンの『即興詩人』とも大木敦夫の『即興詩人』ともかなり雰囲気が違うものと思う。鴎外はなぜ、『即興詩人』を9年もの歳月をかけて、この時期に翻訳したのであろうか?興味は尽きない。
ところで、この小説の初めに、物語の行き先を予兆するように、アントニオはレミ湖畔でフラスカアチのフルイヤから将来の予言を受ける。そして、その後、猛禽と大魚との戦いが描かれる。(この猛禽は近ごろNHKのドキュメンタリーで放映された「ミサゴ(オスプレイ)」のことだと思う。)巧みな物語の導入部である。鴎外の『即興詩人』は、疲れた大人が「大人の童話」として読むのにもよいと思う。
もう一言、本書「ちくま文庫」版は字が小さく、年寄りにはかなり読むのが辛い。時々、虫眼鏡の助けを借りてなんとか読了した。なお、ドイツ語に堪能な方はKindleから『Der Improvisator』を入手して参照するとよい。無料である。
2009年1月9日に日本でレビュー済み
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今この本を読もうと思う人の多くは、文語体の美しさを味わいたいと思っているのではないだろうか。
だとしたら、このちくま文庫版「即興詩人」には欠点がある。
「ゐ」や「ゑ」といった旧仮名を新仮名に直してしまっているのだ。これでは文語体の味わいは半減である!
だとしたら、このちくま文庫版「即興詩人」には欠点がある。
「ゐ」や「ゑ」といった旧仮名を新仮名に直してしまっているのだ。これでは文語体の味わいは半減である!
2001年12月5日に日本でレビュー済み
ローマ生まれの青年アントニオが、出会いと別れ、憧れと失望を繰り返しながらついに幸せを見いだすまでの波乱の半生。原典訳も出ているが、どうせ読むなら鴎外の美文で読みたい。現代の我々には難解な用語も多々使われているが、懇切丁寧な注が付いているので心配無用。文語文の簡潔にして華麗な美しさは、口語文ではどうあがいても太刀打ち不可能なものだ。
アントニオはナポリ、ヴェネツィアなど各地を旅行して回るので、イタリア観光案内として読むこともできる(個人的にはゲーテのイタリア旅行記よりも好き)。実際明治の青年たちは、これを読んで異国への憧れをかきたてられていたそうだ。鴎外は舞台の地を自ら歩いたのだろうか、地名や寺院名などのカナ表記がきわめて正確で、さすが文豪は完璧だと感心してしまう。地図付き。
アントニオはナポリ、ヴェネツィアなど各地を旅行して回るので、イタリア観光案内として読むこともできる(個人的にはゲーテのイタリア旅行記よりも好き)。実際明治の青年たちは、これを読んで異国への憧れをかきたてられていたそうだ。鴎外は舞台の地を自ら歩いたのだろうか、地名や寺院名などのカナ表記がきわめて正確で、さすが文豪は完璧だと感心してしまう。地図付き。
2003年8月7日に日本でレビュー済み
ほぼ30年ぶりにこの本を読み返してみた。30年前とは私が15歳の頃である。この書き出しから始まり,内容をよく記憶していることに驚いた。また、話しの中味が極めてつまらないことにも驚いた。この本の美点はよく言われることだが、文章の美しさにあり、私はこれを読んでから,擬古文を読むのを全く苦にしなくなった。15歳の少年にはそれだけの衝撃力のある本である。また、年寄りにはつまらない本ではある。